- 2006年03月08日
- インドのガス市場、その現状と見通し(下)
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今週は、3回に分けてお届けしている印CRISIL Infrastructure Advisory (CRISIL)による弊誌への書き下ろし原稿「インドのガス市場、その現状と見通し」の第3回目(最終章)を掲載します。
3. インドにおける天然ガス・プロジェクト
前章では、 インドの天然ガス産業において重要な意味を持つ市場の発展に焦点を当てた。市場の発展は、 様々なプロジェクトに繋がると同時にそれらに支えられていくものと思われる。本章では、天然ガスのバリュー・ チェーンに関わるプロジェクトを明らかにすると共に、市場の潜在力に対するそれらの重要性を要約する。供給プロジェクト
インドの天然ガス市場全体に見られる昨今の供給不足を考慮すると、供給プロジェクトは市場の発展にとって決定的に重要であると考えられる。 インド市場のためには、国内プロジェクトと共に、輸入の確保に傾注することも重要である。国内プロジェクト
<クシュナーゴダバリ堆積盆(KG堆積盆)にRILが保有するガス田> 印リライアンス・インダストリーズ(RIL)は2002年10月、 インド東部ベンガル湾のKG堆積盆に位置するKG-DWN-98/3(D6)鉱区でガス田を発見したと発表した。 RILは同鉱区のガス埋蔵量を14兆立方フィート(LNG換算約1,300万トン×20年)と発表したが、米独立系石油/ガス・ コンサルタント会社デゴルヤー&マックノートン(D&M)の見積もりでは、8兆6,000億立方フィート (同約800万トン×20年)となっている。インドの上流部門規制当局である炭化水素資源総局(Directorate General of Hydrocarbons:DGH)によって承認された生産計画によると、RILは同鉱区において2008年以降、 約14億1,200万立方フィート/日(LNG換算約970万トン/年)の天然ガスを生産し、その大半をインド北/ 西部の既開発市場に輸送する見通しである。RILのガス田開発プロジェクトは、新探鉱認可政策(NELP) の対象鉱区における初の商業生産となるため、インド政府の取り組みにおいて大きな実績となるであろう。また同社は、 国内生産の下降傾向に歯止めをかけるのに大きな役割を果たしていくと予想される。
RILは、インド国営ナショナル・サーマル・パワー(NTPC) が同国北西部グジャラート州のガス発電所の能力を2,600メガワットに引き上げるために行った国際競争入札(ICB)に参加し、 ガス供給権を落札した。同社は2007-08年までにガスの供給を開始する計画で、それまでにパイプラインを完成させる必要がある。
<KG堆積盆における、その他のガス田発見> KG堆積盆では、最近のグジャラート州営石油会社(GSPC) によるガス田発見を含め数々の発見があったことで、ガス資源が豊富に賦存している可能性が益々高まった。今回の探鉱の成功で、 同地域の上流部門への投資は一層活発化するものと思われる。 発見されたガス田の推定埋蔵量や生産スケジュールを推測するには時期尚早であるが、このような兆候は前向きなものである。[註1]LNG輸入プロジェクト
<PLL/ダヘジ受入基地> 印ペトロネットLNG(PLL) は、インドの石油・ガス会社の中でも最大手クラスの4社である国営バーラト・ペトロリアム(BPCL)/国営ガス会社(GAIL)/ 国営インディアン・オイル(IOC)/国営石油天然ガス会社(ONGC)に推進され[註2]、国内で増加しつつある需給の格差を埋めるため、 LNGの輸入を目的として設立された。詳細な調査の結果、PLL はグジャラート州のダヘジと西部ケララ州のコーチンをLNG受入基地の建設地に相応しいと判断した。同社は、 サプライヤーを選択するために国際競争入札(ICB)を実施し、共同で入札を行ったカタールのラスラファンLNG社(ラスガス) とモービルLNG(現エクソンモービル)が受注した。ラスガスとエクソンモービルは1999年、PLLとの間で25年間に亘る750万トン/ 年の売買契約(SPA)をFOB(本船渡し)ベースで締結した。PLLのダヘジ受入基地は2004年4月、500万トン/ 年の初期受入能力で試運転を行い、現在はフル・キャパシティで操業中である。PLLは10年以内を目処に、 同基地の生産能力を1,000万トン/年へ倍増する計画を発表している。<シェル/ハジラ受入基地> シェルは2005年3月、グジャラート州のハジラに受入能力250万トン/年の基地の建設を完了した。 シェルはハジラ基地のオペレーターであるが、2004年3月に権益26%をトタール・ガス&パワー・インディアに移譲した。シェルは当初、 同基地で再ガス化したLNGをグジャラート州内で販売しようと計画したが、後に同州以外の市場にも拡販しようと考えた。 シェルとトタールはそれぞれの自社プロジェクトとスポット市場からLNGを調達しようと考え、 いかなるLNGサプライヤーとも長期契約を結んでいないと見られる。年間の大部分は基地を操業していたとは言え、 シェルの顧客獲得は概ね失敗だったと言える。結果的に、基地は非常に低い稼働率で操業していた。 伝統的なLNGモデルを採用したPLLと異なり、シェルはより近代的な取り組み方法を選択した。シェルは、 ハジラ基地への供給確保を目的としたLNG長期契約を締結していない。また下流部門において、いかなる消費家とも長期契約を締結していない。 公表している通り、同基地を「戦略的資産」として利用する意向である。シェルはインドを台頭しつつあるガス市場の1つと見ており、 同基地をインドへの足掛かりと考えている。シェルはインド市場が発展するまで、「機に便ずる」 市場戦略に則して同基地を操業していくであろう。またそうなれば、 他市場と比べて遜色ない利益を上げることも可能になるとCRISILは見ている。
<DPC/ダボール受入基地> インド西部マハラシュトラ州における、2,184メガワットのダボール・パワー(DPC) プロジェクトの一環として、DPCはダボールに受入能力500万トン/年のLNG受入基地を開発していた。同プロジェクトの建設は約80% 完了していたものの、財政面及び法律上の問題により中断された。同プロジェクトはオマーンLNGから160万トン/年、アブダビ・ ガス液化会社(アドガス)から70万トン/年、またマレーシア国営石油会社ペトロナスから260万トン/年のLNGを調達する予定であった。 インド政府による積極的な働きかけにより、プロジェクトの動きは再び活発化してきた。誘いを受けたNTPCとGAILは、ラトナギリ・ガス・ アンド・パワー(RGPL)という名の特別目的会社(SPV)を設立した。現在プロジェクトは順調に遂行されているように見えるが、 SPVは厳しい供給市場において、LNG供給の確保に苦心している。
併設された発電所は、約210万トン/年のLNGを要する見込みで、RGPLがそれ以上のLNG供給量を確保できれば、 同じダボール地域内と周辺の市場に販売していくことも可能であろう。<PLL/コーチン受入基地> PLLの取締役会はインド南部市場に供給するため、ケララ州西部沿岸コーチンに受入能力250万トン/ 年のLNG基地を設立することで同意した。同プロジェクトは2008-09年に操業を開始する見込みで、完工後はカタールのラスガスから、 或いはシェブロンの豪州ゴーゴン・プロジェクトからLNGを調達すると見られる。GAIL/BPCL/ IOCは受入基地で再ガス化されたLNGを、南部で販売するものと思われる。
<IOC/エンノール受入基地> IOCはイラン国営石油会社(NIOC)の子会社であるペトロパルスとの間で、巨大なサウス・ パルス・ガス田の全28フェーズのうち1フェーズの権益40%に関する覚書(MOU)を締結した。IOCはイラン産LNGを販売するため、 南部タミールナドゥ州エンノールに再ガス化基地を建設する見込みだ。エンノール基地は2011-12年から受入能力250万トン/ 年のペースで操業を開始し、続いて2015年を目処に、能力を500万トン/年まで引き上げることが予想される。能力拡張が見込まれるのは、 IOCがサウス・パルスからインド市場に向けたLNGの供給を、約450-500万トン/年まで引き上げる見通しであるためである。
<ONGC/マンガロール受入基地> ONGCはカルナタカ州政府との間で、同州西部マンガロールにおけるLNGプロジェクトに、 2,500億ルピー(約7,000億円)を投資する内容のMOUを締結した。同プロジェクトには、LNGの輸入/輸送/再ガス化、 C2/C3の抽出、石油化学製品の製造と、発電などが含まれる。しかし、インド石油/天然ガス省(MoPNG)はONGCに探鉱/生産 (E&P)の中核技術に焦点を当てるよう指示し、基地の開発は、ONGCの製油子会社であるマンガロール・リファイナリーズ& ペトロケミカルズ(MRPL)が国営ヒンダスタン・ペトロリアム(HPCL)と共同で行うよう提案した。 KG堆積盆内におけるガス田発見と同時に、コーチン/エンノール基地も処理能力の拡張が行われていることから、 マンガロールに新たなLNG受入基地が必要であることが改めて確認されている。
パイプライン輸入プロジェクト
<バングラデシュ~インド間パイプライン> 米ユノカルは2002年以来、 ビビヤナ・ガス田からインド北部のガス市場(例えばウッタルプラデシュ州のジャグディシュプールにあるGAILの既存ガス輸送網) にガスを輸送する、口径30インチ(約76センチメートル)、全長1,367キロメートルのパイプライン構想を推進してきた。 同パイプラインの初期輸送能力は、約5億立方フィート/日(LNG換算約350万トン/年)。しかし、 バングラデシュにはガス輸出に反対する政治勢力が存在するため計画は滞っており、 少なくとも50年間の国内消費を賄うに十分な戦略的埋蔵量を確保できない限りガス輸出を是認しない意思をバングラデシュ政府が表明して以来、 計画は事実上棚上げとなっている。<ミャンマー~インド間パイプライン> 2001年1月、ミャンマー沖合A1鉱区で5兆立方フィート (LNG換算約470万トン×20年)のガス田が発見された。同鉱区の権益は、GAILが10%、ONGC ヴィデッシュ(OVL)が20% 、合弁事業(JV)パートナーである韓国大宇が60%、また韓国ガス公社(KOGAS)が10%を保有している。 ミャンマー政府は生産権益の45.6%を保有しており、 JVパートナーであるOVLとGAILに譲渡するために現物でのガス取得を計画している。よって、生産されるガス総量の61.91% (ミャンマー政府の利益ガス割当てを含む)まではインドに分配することが可能である。同プロジェクトはここ数年で大きく進展しており、 パイプラインはバングラデシュを迂回してインド北東部経由で同国北部市場に達する見込み。
<イラン~インド間パイプライン> インド政府は同国北部市場の需要に応えるため、 陸上ルートでイランからガスを輸入する案を検討している。提案中のパイプラインは全長2,670キロメートルで、イランのアッサルエ/ バンダルアッバスを始点に、パキスタンのバルチスタン/パンジャブ州を経由して、インドのHBJパイプラインに接続される計画である。
プロジェクトの総費用は70億ドル(約8,200億円)で、初期輸送能力は30億5,900万立方フィート/日 (LNG換算約2,000万トン/年)と見積もられている。しかしイランへの貿易制裁の観点から米国がプロジェクトに反対しているなど、 重大な地政学的な問題に直面している。米国政府は最近、インド政府がイラン~インド間パイプライン・プロジェクトを断念すれば、 インドへの制裁を解除し、同国における平和利用のための原子力エネルギー開発に協力すると提案した。しかし、 プロジェクトへの投資も不透明であり、これらを考慮すると計画が実現する可能性は少ないと考えられる。<トルクメニスタン~アフガニスタン~パキスタン~インド間パイプライン> 2003年4月、ADB(トルクメニスタン/パキスタン/ アフガニスタン政府と共に、トルクメニスタン~アジアまでのパイプラインの開発を牽引する事業パートナー)は、同パイプライン・ プロジェクトに参加するようインド政府に呼びかけ、パイプラインをインド市場まで延伸する申し出を行った。しかしインド政府は、地理的・ 政治的な問題の機微に触れることと、アフガニスタンとバルチスタン(パキスタン)を横断するパイプライン部分の安全保障上の懸念から、 プロジェクトの承認は避ける模様。これとは別に、トルクメニスタンのガス田は既にロシアに大半を利用されているため、 トルクメニスタンのガスが今後30年間に亘るプロジェクトに耐えうる量を残しているかは疑問である。トルクメニスタンは未だ、 国際機関から埋蔵量に関する証明を取得していない。結果的に、同プロジェクトの進行は望めないと考えられる。
天然ガス利用者のプロジェクト
<NTPC のガス発電所拡張> インド最大の火力電力発電会社であるNTPCは、グジャラート州にあるガス発電所の能力を、 2,600メガワット拡大する計画である。同社は、提案中のプロジェクトのサプライヤーを選定するために、ICBを実施した。 ICBの参加企業には、国内のサプライヤーのほか、再ガス化サービスを提供する企業や再ガス化したLNGの販売業者も含まれていた。 最終的に、NTPCはRILに契約を発注し、KG堆積盆のガス田からガス供給を受けることとなった。NTPCは2007- 08年までにプロジェクトを開始する予定。しかし2004年の発注以来、NTPCとRILは契約の条項を巡って意見の相違を見ており、 最終契約は締結には至っていない。プロジェクトの開始時期は、延期される可能性が高い。<RELプロジェクト> リライアンスの系列会社であるリライアンス・エナジー(REL)は、 インド北部ウッタルプラデシュ州ダドリに3,500メガワットの電力発電所を建設する計画である。 同社はKG堆積盆にRILが保有するガス田から燃料を調達すると見られる。現在RELはデリーで販売活動を行っており、 計画中の発電所で発電される電力をデリー地域で販売するものと思われる。
<KRIBHCO、ハジラ> Krishak Bharti Cooperative(KRIBHCO)は、 グジャラート州ハジラでガスを利用した尿素プロジェクトを運営している大規模な農業共同組合で、 同地域のガス利用プロジェクトを100万トン/年拡大すると発表した。同プロジェクトを2016年末までに開始したい考えで、開始されれば、 10年以上振りのガスを利用した尿素プロジェクトとなる。但し、安定した燃料供給を図ることが、 このプロジェクトの絶対的な必要条件になる。このため、国内における全ての新規ガス利用尿素生産能力の基準を設定することになるため、 果たしてプロジェクトがこの条件をクリアできるのかが、注目すべき重要なポイントとなる。
<国内の配給プロジェクト> 圧縮天然ガス(CNG)/パイプライン天然ガス(PNG)としての天然ガス利用は今後数年間で、 国内の天然ガス需要総量を大幅に伸ばす要因となるであろう。天然ガスを、従来の調理用液化石油ガス(LPG)や輸送用ガソリン/ ディーゼルなどに代わる燃料として認める最近の最高裁判所の命令は、デリーやムンバイの主要都市における配給網の成功と相まって、 多くの配給プロジェクトが国中で発表されることになった。これらのプロジェクトによって、 サプライヤーは高い値頃感と信頼できる最終消費者を得ることができるであろう。このように、これらのプロジェクトはリスク/ リターンのレベルを最大限とするために、サプライヤーに消費者ポートフォリオを多様化する手段を提供する。
輸送パイプライン・プロジェクト
既述の供給/利用者プロジェクトの開発は、適切な供給インフラの開発を必要とすると思われる。 市場はこうした将来的な必要性を正しく認識してきたようである。よって開発者は、市場の需要に的確に応えるため、 予定されたスケジュールに忠実に計画を進めることが重要である。GAILの天然ガス網(NGG)
インドにおけるガス輸送市場の主導的立場を保つ観点から、 GAILは国内の既存及び将来的な需給の中心地を繋ぐ、 全長8,000キロメートルに亘る天然ガス網の開発を提案した[注3]。国中の需要の中心地域と供給源を結ぶ同ガス網の初期費用は、 概算で2,000億ルピー(約5700億円)であった。このプロジェクトは最近のガス・パイプライン政策より前に構想されたため、 当初の計画ではサード・パーティー・アクセス(TPA)が考慮されていなかった。
NGGの様々な区間の中で、GAILは既に昨年、ダヘジ~ビジャイプール区間(DVPLパイプライン)の試運転を行った。 2005年4月にシェルのハジラ受入基地の建設が開始され、ダボール・プロジェクトも進展したため、GAILは現在、 ダヘジ~ハジラ~ウラン区間に焦点を当てている。ダヘジ~ウラン間パイプライン
GAILは、 グジャラート州ダヘジからマハラシュトラ州ウラン(距離約425キロメートル)までの双方向パイプラインの開発を計画した。 NGGの一部ではあるが、口径30インチ(約76センチメートル)のパイプラインは、供給が不足しているウラン市場と、 グジャラート州のLNG供給源を繋ぐため、特に重要である。GAILは最近、修正後の日程に基き、パイプラインの設計/調達/建設(EPC) 契約を発注した。プロジェクトの開始時期は2006年前半であると予想される。GAILは、必要に応じて、 建設中のダボール受入基地と接続できるようパイプラインを延伸する可能性もあると示唆した。
同プロジェクトの工期は大幅に遅れており、建設費も約180億ルピー(約500億円)まで膨らんでしまった。 より望ましいパイプラインの技術を巡る議論が、工期の遅れの原因となった。GAILは当初、技術コンサルタントの勧めに従い、 縦サブマージアーク溶接(Longitudinal Submerged Arc Weld: HSAW)パイプのみを入札にかけた。 しかし、インド政府は大統領命令により、GAILに螺旋サブマージアーク溶接(Helically Submerged Arc Weld: HSAW)パイプも入札過程に加えるよう強制した。続いて起きた地元企業の入札除外を巡る議論のため、 プロジェクトは更に遅れた。最終的に、GAILはEPC請負業者を選定する入札を改めて開始した。RILが計画中のカキナダ~ウラン~アーメダバード間パイプライン
KG堆積盆におけるRILの成功後、 RILの子会社であるGas Transportation and Infrastructure Company Ltd(GTICL)は、カキナダ~ハイデラバード~ゴア間パイプラインに、更に1区間の追加を計画した。 このハイデラバード~ウラン~アーメダバード区間により、RILはグジャラート/ マハラシュトラ州の既存市場への供給ルートを確保できるであろう。同社幹部の話によれば、 この幹線パイプラインは長さ1,400キロメートル(カキナダ~ハイデラバード~アーメダバード間のみ)、口径48インチ (約120センチメートル)となる見込みである。GAILは当初、同社が提案中のNGGのカキナダ~ウラン/ ダヘジ~ウラン区間と対立することになるとして、この計画に反対した。しかし、政府がGTICLのパイプラインに許可を与えたため、 GAILはカキナダ~ウラン区間には着手しないようである。GTICLのパイプライン計画が進めば役割が重複するため、 GAILのダヘジ~ウラン区間の状況は流動的である。同パイプラインは、パイプライン政策の範囲に該当しているため、 GTICLは提案中のパイプラインの輸送能力について、その25%を上限に利用申込を受け付けている。
結論
最近のインド経済の浮揚力は、今後20年間に亘り継続すると予想される。この成長は、エネルギー需要の増加と言い換えることもできる。 この状況は、同国の燃料ミックスにおいて一層重要な要素になる天然ガスにとっては、プラスに働くであろう。現在まで、同国のガス事業は、 供給不足/プロジェクトの遅延・中止/必要とされる市場改革実施の遅れに悩まされてきた。しかし、それも過去の話のようである。 新たな国内資源及び輸入ガスの流入、また長期間待ち望まれていた規制改革の実施など、事業は急速な変化の時代に突入している。
市場は発展しており、その方向性は正しいと楽観視している。規制によるもの、市場に動かされたもの、両方の手段の成功は、 市場の要求に現実的に対応する様々なマーケット・プレイヤーの能力次第であろう。[註1]GSPCは埋蔵量20兆立方フィート(LNG換算約2,000万トン×20年)のガス田を発見したと主張している。
[註2]現在、4社が12.5%ずつ、ガス・ド・フランス(GdF)が10%の権益を保有している。最近、アジア開発銀行(ADB) がPLLの権益5.2%を取得した。残り34.8%の資金は2004年3月、発行市場での株式公開(IPO)を通じて調達された。
[註3]支線は以下の区間:ダドリ~パーニーパット間(114キロメートル)、ビジャイプール~コタ間(245キロメートル)、 コタ~Mathania(301キロメートル)、Thulendi~Phulpur(139キロメートル)、 Jagoti~インドール~Pithampur~デワス(98キロメートル)。ダドリ~パーニーパット間の部分について、 GAILとIOCがパイプライン敷設権を主張したため建設が遅れているが、間もなく解決する見通しだ。(水)
(CRISIL Infrastructure Advisory)
